UNE FILM EST UNE FILM

映画は映画である。映画評、その他

2018-01-01から1年間の記事一覧

『悲情城市』と台湾

9月19~21日、台湾旅行へサークルの3・4年生で行った。それに関連して、伊藤潔『台湾―四百年の歴史と展望』中公新書(1993)を読んだ*1。そしてその後、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督作の映画『悲情城市』(1989)を見る機会にも恵まれた。この記事は、…

書評:大嶽秀夫『ニクソンとキッシンジャー―現実主義外交とは何か』中公新書(2013)

リチャード・ニクソンといえばウォーター・ゲート事件でその名を記憶されているアメリカの大統領である。今年公開されたスティーブン・スピルバーグ監督作『ペンタゴン・ペーパーズ』では「見えざる悪役」として描かれていたのも記憶に新しい(ちなみにこの…

「クレショフ効果」は本当なのか?

「クレショフ効果」という有名なモンタージュ理論がある。ウィキペディアに乗っている説明を引用しておこう。 効果「クレショフ効果」とは、ひとつの映像が、映画的にモンタージュされることによって、その前後に位置するほかの映像の意味に対して及ぼす、性…

ジャック・タチとリュミエール『工場の出口』

「シネマ」の語源は「動き」を意味するギリシャ語「キネマ」からきている。もっとも日本には「キネマ旬報」という映画雑誌があるので、キネマという語に対する馴染みもそれなりにあるかもしれない。ともあれ、映画評論家とかがやたらと「運動」という語を使…

初投稿

書評と思ったこと、そして映画論に試みていこうかと思います。 書評については基本的にジャンルは問いませんが、小説よりも学芸・学術書をメインで読みます。読書自体を意識的に始めたのは大学二年からで読書歴は浅く、まだまだ無学な人間です。関心があるの…